こういう女はやめとけ No!男性差別
旧「間違いだらけの男女関係−で、お前は何をしてくれるんだ?」。男性にはパートナー選びに失敗しないための指針書として。女性には男心を知るためのモテマニュアルとして。こういう女(になるの)はやめとけ!
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ジョン・オルコック著、長谷川真理子訳「社会生物学の勝利―批判者たちはどこで誤ったか」新曜社

社会生物学について、その起源、定義、研究範囲から、これまでの研究成果、一部の人の社会生物学に対する誤解までをまとめた本。この1冊で、この学問がどういうものかは大まかに理解できる。

特筆すべきは、サブタイトルにもあるように、その政治的立場から社会生物学を熱心に否定したがってる人たち(たとえばフェミニストが挙げられている)に向けての記述だ。結論からいうと、フェミニストは、社会生物学を恐れる必要はまったくない。

 遺伝子と進化って絶対なの?

社会生物学が無意味なものと批判される理由として、社会生物学が「遺伝決定論」*を正しいと証明している学問であるかのように「誤解」されているからだと著者はいう。この誤解をとくために、筆者はまるまる1つの章を費やしている。
そこで遺伝決定論は、「遺伝子だけが、生物個体の発達を完全に制御していることなどあり得ない」(P.54)とはっきりと否定されている。

*個体の持つ遺伝子が特定の形質の発達を決めているのであり、その個体が発達する環境は関係がない、という考え(「社会生物学の勝利」P.54)

「事実、遺伝子は、自分だけでは何もすることはできない。なぜなら、遺伝子が持っている情報は、他の多くの科学物質がなければ表現されることがないが、それらの物質はすべて、環境から提供されるものだからである。細胞の核の中にあるDNAを取り巻く実に多くの要因が、その細胞の持つ遺伝子が働くための環境を作り上げ、すべての生物の発達を制御する、遺伝子と環境との相互作用を提供している」(P.57)

さらに、進化学者リチャード・アレグザンダーの1979年の言葉として「遺伝決定論とは、個体が受け継いだ遺伝子が、のちにその個体に何が起ころうと、その個体の行動の性質を完全に決めるということを意味する。この議論は、環境の影響をまったく排除しているが、環境という言葉は、生物学者が一般的に使うときには、遺伝子以外のすべての出来事をさしているので、これはばかげた議論だと言うしかない」(P.57)

つまり、遺伝決定論とは、まったくの誤りなのである。

だから、フェミニストは「社会生物学は、男性の優位と女性の従属を人間の進化の歴史で生じた自然の帰結であると結論づけ、女性の差別を正当化し、それを推し進める科学である」などといった心配をする必要は全くないのだ。社会生物学は進化の結果である性差について説明はするが、進化の結果男女がそれぞれ持つこととなった性質について、それを正当化するわけではない。

 遺伝決定論に反対するのはフェミニストだけではない

科学は、進化の結果である性差について説明はするが、進化の結果男女が持つこととなった性質について、それを正当化するわけではない。

「遺伝子の働きはそれほど決定論的なものではありません。遺伝子は、多かれ少なかれ、その周囲の環境に応答しながら発現するものです。ヒトの行動に遺伝的基盤があるからといって、自由意志や教育の効果が無意味になるわけではありません」(長谷川寿一・長谷川眞理子著「進化と人間行動」東京大学出版会)
「(男性の性的嫉妬心が)人類の進化の過程で生み出されたからといって、それを大目に見たり擁護したりする必要はない」「忌まわしい行動が、われわれの配偶戦略から生じているという事実は、そうした行為の存続を正当化するものではない」(デヴィッド・M・バス著、狩野秀之訳「女と男のだましあい」草思社)

遺伝決定論が誤りであると判明してホッとしているのは、何もフェミニストだけではない。
遺伝決定論は、実は男にも不利益をもたらす。
なぜなら、遺伝決定論は、恋愛における不平等な男女の役割分担、いや、恋愛にかぎらずすべての男性差別を正当化しかねないからだ。

 遺伝子で男性差別は正当化できない

これから世の男たちは、「男は積極的に女にアプローチし、女に何かしてあげたいと思い、女を守るものなの。逆に女は受身で、愛されたいと思うものなの。これは遺伝子にプログラムされているから、男も女もこれに従うのが自然で普通なの。わかる?」などと女が言おうものなら、こう切り返せばいい。

「遺伝決定論だね。でもそれは全くの誤りだよ」

遺伝決定論による差別が正当化されないのは、なにも女性差別だけではない。
男性差別もまた然りである。

テーマ:私の主張 - ジャンル:恋愛

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